第29章 大物

「いったい、何のつもりだ?」

大西虎太郎は殺気を滲ませ、工藤達央を睨み据えた。

工藤達央のような小物など、これまで眼中に入れたことはない。だがまさか、その工藤に弱みを握られるとは。

いまの大西虎太郎に、中山グループの株を奪う余裕などなかった。頭の中にあるのはただ一つ――工藤達央の手から、あの動画を取り返すこと。

あれが外に出た瞬間、自分は社会的に終わる。名も地位も、すべてが崩れ落ちる。

「俺が何をするかなんて、気にしなくていい。動画が欲しいなら、俺の言う通りにしろ」

工藤達央は横の椅子を引き寄せて腰を下ろすと、足を組み、大西を見上げるように眺めた。

「大西さん。まさか、怖くなっ...

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